カラフル☆デイズ

「なぁ、このプリンって、他のプリンより大分甘くないか?」


プリンを一口食べた先輩は、そう言ってすぐに私の手を放した。


ちょっと待って……!


完全に失敗した。軽率に、食べますか?なんて言うんじゃなかった。


まさか、こんなにも心臓に悪いなんて……!!


「深月先輩っ、私、飲み物買ってきますね!?」


動揺している所為で語尾が半音上がったけれど、そんなことまで気にする余裕もなく、勢いよく立ち上がる。


とりあえず、一旦、一人になって落ち着かないと!


頭の中はショート寸前で、私の胸中を知らない先輩は、軽く伸びをして寛ぎながら「俺は炭酸系で頼む」と投げ掛けてきた。


先輩の声に大きく頷いて、もつれそうになる足を懸命に前へと繰り出し、その場を離れる。


熱がある訳じゃないのに顔が火照って、自分の心臓の音の大きさにくらくらしそう……。


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