カラフル☆デイズ
それにしても、ちょっと待って!な、な、何……この気持ちは、一体何なの?
混乱しながら自販機で買ったレモンソーダをその場で開け、一気に1/3ほど喉に流し込む。
心臓のドキドキは一向に収まらないけれど、いつまでもこうしている訳にもいかなくて、再び屋上までの階段を一歩ずつ踏みしめる様にして戻った。
今まで、誰かを良いなって思うことがあっても、こんなにも強烈にドキドキしたことはなかった。
これって、私が深月先輩を好きってこと――?
だけど、どこが好きなのかも判らないのに、そんなことってあり得るのかな。
先輩の良いところを挙げようとしても、皮肉屋で、意地悪なことばかり言って、すぐに私をからかってきて、そんな失礼な言動を取る深月先輩しか浮かんでこないのに。
良いところが浮かばないんだから、好きな訳がない――これは気の所為。ただの勘違いだ。
そう結論付けて自分に納得させたところで、ちょうど屋上に到着し、ギィと軋んだ音を立てる鉄の扉を私はゆっくりと押し開けた。