カラフル☆デイズ

「深月先輩っ!買ってきましたよ」


遠くに広がるグラウンドを見つめていた先輩に、買ってきたばかりの飲み物を手渡す。


「サンキュ……って、何でカフェオレなんだよ」


炭酸系でって頼んだよな?と、深月先輩に言われて気が付いた。


ドキドキする余り、あの場では混乱していて気付けなかったけど、私がさっき飲んだのは先輩用に買ったレモンソーダだったことに。


もう一度行って買い直してこよう思っていると、先輩がカフェオレに口を付けた。


「炭酸じゃないけど、良いんですか?」


「仕方ないだろ、もう買ってしまったんだし」


「それは、そうですけど……」


ドキドキは既に収まり、高揚(こうよう)していた気分とは対照的に、今度はしゅるしゅると下がって行くのが自分でも判った。


だけど、カフェオレを間違って買ってしまったというだけで、こんなにも気分が落ちてしまう自分が、自分でもよく判らない。


別に怒られた訳でも、責められた訳でもないのに、ちゃんと役に立てなかったってだけで、どうしてここまで……?



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