カラフル☆デイズ
足元をジッと見つめていると、「そういえば、これの金」と、ポケットからカフェオレ代を取り出した。
「間違って買ってきちゃいましたし、要らないです」
「それとこれとは別」
「私も以前、カフェオレを先輩にもらったからおあいこです!」と言い返せば
「その分、たまごサンドで返されたし?」と、先輩がからかう様に笑う。
だけど、私も負けじと「その分、キャンディをくれたじゃないですか」と言い返したところで、この勝負の勝敗が決まった。
「じゃあ、ごちそうさん」
深月先輩は諦めて鼻で笑うと、そう言って大きな手のひらを私の頭の上に乗せた。
再び心臓が大きくドキンって高鳴るのと同時に、キーンコーン……と、午後の授業を知らせる予鈴が鳴って、教室へ戻ろうと先輩が立ち上がる。
だけど、なぜか私は、もう少しだけ先輩とここに居たいという気持ちになり、すぐには立ち上がれなかった。