カラフル☆デイズ
グッと拳に力を入れて空を見上げる。
無駄に青い空が、無駄に爽やかな笑顔を振り撒くあさ兄と重なる。
皆、空の下で繋がってるって言うけれど、今はこの空の下にいるだけで、あさ兄にストーキングされている気分になった。
「あさ兄の馬鹿ぁー!」
隣に先輩がいるにもかかわらず、どうしても我慢し切れずに叫んでしまった。
そして、すぐに気を取り直して、深月先輩へと向き直った。
「その人はあさ兄なので、間違っても彼氏なんかじゃないです!」
よりにもよって、あれが自分の兄だなんて白状するのは、それはそれで、ものすごく恥ずかしいものがあるけれど。
彼氏と間違えられるよりはよっぽどマシだと思って告白した真実に、それでも先輩の表情が晴れることはなく――。
「“あさ兄”?誰だよ、それ」
尚も、眉間のシワを深く刻ませた。