カラフル☆デイズ
「まひるが自分で言ったんだろ、俺と兄妹の関係でいるのは、もう嫌だって」
あさ兄が手を伸ばし、宥める様に優しく私の頭を撫でる。
こんなことで、絶対に誤魔化されたりしないんだから。
ちゃんと言葉で説明してもらわない限り、絶対に。
今日という今日は絶対に負けるもんか……と、心の中で呟きながら、私の目の前で極上の笑みを浮かべるあさ兄を睨む。
「そういう意味で言ったんじゃないってこと、判ってるくせに!大体、あさ兄は、何でいっつも私の邪魔をするの!?」
あさ兄は、昔からそう。
私が良いなって思った男の子を、いつも先回りして私から遠ざける。
時には、私が相手に対して、自分の気持ちを自覚する前だったりもして。
あさ兄の所為で、私は恋というものを未だに知らない。
「邪魔をしてるんじゃなくて、男を知らないまひるの為に、俺が見定めてあげてるんだよ」
付き合う男は、ちゃんと選ばないとな。
あさ兄がそう言って、私の頭をポンポンッと撫でた。