カラフル☆デイズ

小さい頃によくした、指切りげんまん。


あの頃と変わらない、私のことを心から信じ切っているあさ兄の顔を見ていたら、ほんの少しだけ、あさ兄に嘘をつくことに胸が痛んだ。


セイ兄はというと、信じられないとでもいう様に、唖然としながら私たちが指きりをする光景を見ている。


「朝陽、どういう風の吹き回しだよ?まひるのヤツ、本気にしてるぞ?」


「だって、まひるのあんな笑顔を見せられて、おまけに手まで握ってお願いされたら、折れない訳にはいかないだろ。見たか、あの必死そうな可愛い顔を」


「こんっの、変態っ!」


セイ兄が近くにあったクッションを、あさ兄に向かって投げつけた。


「俺は知らないからな!」と言うセイ兄に、あさ兄は「大丈夫だ」なんて鷹揚に応えたものだから、あさ兄はやっぱり約束を守るつもりなんてないんじゃないかと不安になる。


そんな私の気持ちを感じ取ったのか、あさ兄は「約束は守るよ」と、再び誓ってくれた。


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