カラフル☆デイズ

その顔を見た途端、先輩もそうだとは限らないのに、自分に母親がいないことを気にしてないからといって、無神経に訊ねたことを後悔した。


「ところで、まひるは弁当、食わないの?」


私の膝元に置かれていたお弁当箱は、ピンク色のギンガムチェックのランチクロスに未だ包まれたままの状態だ。


「それより今は、こっちの方が最優先事項なんです!」


私は、自分の膝の上に置いてある数学の問題集を手のひらでペチペチと叩いた。


昨日の課題として出されたそれは、今日の授業の時に間違いなく私に当ることになっている。


それが、毎回出席番号順に当てていく数学の先生の当て方だから。


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