カラフル☆デイズ
「今度は昇降口で散々待たされる羽目になったら嫌だから、迎えに来てあげたの!」
「はいはい、悪かったって。ほら、帰るぞ」
セイ兄がぶっきらぼうに私の腕を取り、階段の方へと向かって歩き出した。
せっかく先輩に会えたのに……。
後ろ髪を引かれる思いでその場を離れようとしたけれど、結局我慢出来ずに背後を振り返った。
「――古川先輩、さようなら」
私はそれだけ言って、他人行儀にペコリと頭を下げた。