カラフル☆デイズ

「てっきり、遊園地とか水族館に行きたいって言われると思ってた」


駅を出て、歩きながら先輩がそんなことを言う。


その口調は、そう言われなくて少しホッとしている様にも聞えた。


「実は、それらも有力候補でした」


だから、「次は遊園地の方で!」と続けると、「俺、人ごみが苦手なんだけど」と、返された。


今いるこの街中だって、十分に人ごみにまみれている状況なのに、人ごみが苦手だという先輩は、全然苦痛そうには見えない。


「本当に苦手なのは、人ごみじゃなくて、絶叫系なんじゃないんですか?図星でしょう?」


からかう様に指摘してみたものの、もし本当にそうだとしたら、絶叫系が苦手なことを他の理由で誤魔化そうとした深月先輩が何だか可愛く思えてくる。


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