カラフル☆デイズ
「ん、おいひー!」
美味しいです!と、改めて先輩に教えてあげると、すぐさま返事がくる。
「顔を見てれば判る」
先輩は、私の表情や口調から、私の心情を簡単に察してしまうのかもしれない。
けれど、私は先輩の気持ちなんて、表情を見ていてもなかなか推し測ることが出来ない。
「……深月先輩、つまんなくないですか?」
クレープを口元から離して、私は深月先輩の顔をじっと見つめた。
「は?何……まひるは、つまんないの?」
「違いますよっ!そういう意味じゃなくて……その逆で、私ばっかり楽しくて、先輩はそうじゃないんじゃないかな、って……」
ひたすら下がっていくテンションの所為で、美味しく感じていたクレープも今では甘ったるさだけが、妙に口の中に残る。
先輩に対する気持ち一つで、味覚がこうも変わっちゃうなんて信じられないけど。