カラフル☆デイズ
深月先輩は私から私の手元のクレープへと視線を落とすと、そっと手を掴んだ。
「まひるが楽しいならいーよ」
そう言って、私の手ごとクレープを私の口元へ押し付けた。
反射的に、そのクレープを頬張る。
口一杯にクレープを含んだ所為で、どういう意味ですか?と、すぐに訊き返すことが出来ない。
けれど、先輩の目はさっきみたいに遠くじゃなくて、すぐ近くにいる私をちゃんと見ていた。
そして、その表情は楽しそうにも見えたから、私ももうこれ以上気にするのはやめようと思った。
「深月先輩、本当に食べなくて良いんですか?」
残り少しとなったクレープと先輩を交互に見る。