カラフル☆デイズ
けど、きっとあさ兄にはそういうことを判ってもらえないんだ。
だって、あさ兄は、基本的に何でもそつなく完璧にこなすから、判りっこない。
そう思うと、悲しくて、悔しくて、どうしようもなく涙が滲んできた。
「すべてが完璧なら、一緒にいる必要なんて……ないじゃないっ」
服の端を掴んで、泣くのを堪えようとしても、フローリングにはポタリと涙の跡を成していく。
「……まひる、」
首を垂れ、俯いている私に向かって、あさ兄が手を伸ばしてくるのを感じた。