カラフル☆デイズ
「……さっき言い忘れたけど」
あさ兄の顔がゆっくりと近付いてきて――。
「鼻もトナカイみたいに真っ赤で可愛いよ」
そんなふざけたセリフが聞こえたかと思うと、そっと掠め取る様な感触。
近すぎる距離に驚いた瞬間にはもう遅く、気付けばいつの間にか、あさ兄にキスされていた――トナカイみたいと言われた真っ赤な鼻のてっぺんに。
一瞬の出来事に頭が真っ白になって、でもすぐに状況を把握した。
「……なっ、ななな」
「おっ、今度はほっぺが真っ赤になってる」
動揺の余り、言葉が出てこない私を、可愛いなぁと軽快に笑いながら、あさ兄が頬を撫でてくる。
「~~~こっ、の……ど変態っっ!!」
片足を持ち上げ、思いっ切りあさ兄の足を踏みつけた。