カラフル☆デイズ

ムスッとしながら、炭酸を口に含み、飲み込んだ後はおつまみに齧りつく。


「見ろよ、あれ……。どこをどう見たって、女子高生じゃねーよ。あれは会社帰りのリーマンだ、しかも中年の。もっといえば、左遷やリストラを言い渡されたリーマン」


さっきより声を抑えて話しているのかもしれないけれど、それでもセイ兄の声はバッチリ聞こえてくる。


わざと聞こえる様に話しているのかもしれないけれど、どうでもいいと無視を決め込む。


オヤジだろうがリーマンだろうが、別にセイ兄たちにどう思われようと、まったく構わない。


こういう時こそ、自分の好きな物を食べないとやってられない。


“やってられない”って言い方からして、既にオヤジくさいのかもしれないけど。



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