カラフル☆デイズ
無言で立ち上がり、キッチンの奥の方へと消えたあさ兄が、手にお盆を持って戻ってきた。
こほん、と喉を鳴らし、私の横に立つ。
だから、晩ご飯なんかじゃ釣られないっていうのに、と思いながらあさ兄を無視する私の前に、黙って小鉢が置かれた。
たこわさ……!
思わずそれを手に取り、あさ兄を見上げる。
あさ兄は私に笑みを向けると同時に、「こちらもどうぞ、姫」と、まるでドラマの中に出てくる執事さながらの口調と所作で、私の前に優雅に小皿を並べた。
こっちもこっちで、私の大好きな……イカの塩辛!!
目を輝かせながら、それらにうっとり見惚れていると、セイ兄が横から覗き込んできた。