カラフル☆デイズ
「おい、何だよ、これは……。何で、俺の作った親子丼を出さねーんだよ?」
「見ろ、静夜。まひるのこの喜んだ顔を。これが現実だ。お前の親子丼じゃ、こうはいかない」
「ふざけんなって。この俺が作った物を喜ばないとか、んなこと有り得ないっての」
セイ兄が私の目の前から、塩辛が載った小皿を取り上げる。
視界から遠ざかる私の塩辛に向かって、あっ、と短く声が洩れた。
「まひる、親子丼好きだよな?」
頷くことを強要する様な声色で、セイ兄が私に訊いてくる。
「…………焼き鳥なら食べたいけど」
立ち上がりながら素直にそう答え、セイ兄の手から塩辛を取り返した。