カラフル☆デイズ
「何でそう、いちいち味覚がそっち系なんだよ!もういい。まひるの分も俺が食うからな」
不機嫌そうにセイ兄がキッチンの奥へと親子丼を取りに行く姿に、あさ兄と顔を見合わせて肩を竦める。
執事なあさ兄が「どうぞ召し上がって下さい、姫」と勧めてくれたのを合図に、右手に箸、左手に小鉢を持って、たこわさをうきうきと口に運んだ。
「うー、おいしー!幸せー!」
ピリリとわさびの利いた風味と、たこの歯ごたえが最高で、両頬が自然と上へ持ち上がって行く。
遠目に「……信じらんねぇ」とセイ兄がボヤいた。
「その通り。本当に信じられないくらい、まひるは可愛いよな」
そういう意味じゃねぇよ、と言うセイ兄の声すら、今のあさ兄には届いていないに違いない。
せっかくだから写真に収めておきたいなぁ……なんて言いながら、私の食べる姿をただただ見ているから。