カラフル☆デイズ
Days -Ⅵ-【暗闇☆ブラック】
お祭の夜
「良し、完成!」
あさ兄によって綺麗に結ばれた帯をポンッと叩かれ、私は首を捻って後ろの姿見を覗き込んだ。
今日は近くでお祭りがあって、花火も上がる。
それを深月先輩と一緒に見に行くのは、夏休みに入ってから一番楽しみにしていた約束だった。
紺地に大きなひまわりが描かれた浴衣――それから、黄色の帯。
至ってオーソドックスなこの浴衣は、去年、千紗とお祭りに行くと話した際に、あさ兄が買ってくれた物だ。
浴衣はなんとか一人で着られたものの、努力空しく、帯だけはどうしても上手く結べなくて、今回も早々にあさ兄を頼った。
あさ兄は5分と経たずして、ネットに載っていた見本通りの綺麗な文庫結びを完成させた。