カラフル☆デイズ
セイ兄を見れば、嘘をついていないことはすぐに判ったけど、でも、セイ兄じゃないとしたら一体他の誰が、あさ兄に水上くんのことを教えたんだろう?
そんな考えに浸る間もなく、横からは空気をまったく読まないあさ兄が呑気に話し掛けてくる。
「まひるー、何で静夜は阿呆だけで、俺は馬鹿の他に変態まで?」
あさ兄が不満げに私のブレザーを軽く引っ張る。
「当たってんだろ」
「本当のことじゃない」
セイ兄と私が同時に言い返し、あさ兄が面白くなさそうな顔をした。
「俺が言いたいのはそこじゃなく、静夜よりも悪口が一つ多いってトコ」
そっちこそ、気にするのはそこじゃなくない!?
「とにかく、今日という今日は、本気で頭にきてるんだからね!ちゃんと反省して!!!そして、反省したらもう私の学校生活には金・輪・際、干渉してこないで!」
怒鳴ったところで気持ちは全然晴れなくて、涙目のまま一人でむくれていると、あさ兄が屈んで私の目線の高さに顔を合わせてきた。
「まーひーるー。お詫びに、今日の夕飯はまひるの好きなものにする。な?」
そう言って、私の左頬を人差し指で突っついた。