カラフル☆デイズ
喧嘩の嵐
「痛っ……痛いってば、セイ兄!!」
バタンと、玄関のドアが強く閉じられる。
私の声なんてまるで聞こえていないかの様に、セイ兄は黙ったまま私の手を引いて、尚も家の奥へと進んで行く。
静まり返ったリビングに入って来たところで、ようやくキツく掴んでいた私の手を放してくれた。
セイ兄に掴まれていた腕が少しだけ赤くなっている。そこを片手でそっと押さえた。
「まひる、今日はチィと一緒に、祭りに行ったんじゃなかったのか?」
いつもとは全然違う、心底冷たく響いて聞こえる低い声。
セイ兄の醸し出す雰囲気は、機嫌が悪いとか、そんなレベルじゃない。