カラフル☆デイズ

「違うよっ!私の方から抱きついたの!もう少しだけ深月先輩と一緒にいたかったから、だから、私から抱きついたの!!」


セイ兄に、これ以上深月先輩のことを誤解して欲しくなくて。


セイ兄が深月先輩のことを悪く言うのを聞きたくなくて、必死に声を張り上げた。


「自分から抱きついたって……」


セイ兄が驚いた様子でそう言って絶句する。


「大体、セイ兄のさっきの態度、失礼だよ……」


あの後、足早に近付いてきたセイ兄は、「これ以上、まひるに関わるな」と先輩に言い捨てた後、取り付く島もなく私を無理やり引き離した。


その所為で、わざわざ送ってくれた先輩に、お礼の一つすら言えなかった。




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