カラフル☆デイズ
「セイ兄っ!?」
「ったく。兄妹で、なんつー体勢になってんだよ」
声の先ではセイ兄が私たちに――というよりも、主にあさ兄に向って、げんなりとした、冷ややかな視線を注いでいる。
「誰かさんの所為で落ち込んだ可愛いまひるを、慰めてあげようとしてただけだよ」
あさ兄が私のこめかみ付近に指を差し入れて、撫でる様に髪を梳く。
その仕草が余りにも優しくて、素直に心地良いなんて思ってしまう。相手はあさ兄なのに。
「その仕草といい、セリフといい、朝陽が言うといちいち如何わしいんだよ」
セイ兄が、なぜか若干苛立った口調で言う。
「如何わしいだなんて、そういう発想をするお前の方が、よっぽど如何しいと思うけど?」
な、まひる?と、あさ兄が私に話を振ってきた。