カラフル☆デイズ
とりあえず、手の甲でゴシゴシとほっぺたを擦っていると、突然セイ兄が謝ってきた。
「まひる、悪かった……」
「キスしてきたのは、あさ兄だよ?」
「その件じゃねーよ」
「判ってるよ。さっきのこと、でしょ?」
さっきのことを思い出しているのか、気まずそうな表情のセイ兄は、それでもキッパリと思っていることを言葉にして伝えてきた。
「悪かったと思ってるのは、感情的になったことをで、反対したことを、じゃないからな」
「じゃあ、やっぱり反対ってこと?」
「とりあえず、保留ってことにしといてやる」
渋々といった感じの雰囲気を漂わせながらも、言い方はなぜか上から目線のセイ兄だけど。
「とりあえず、それで納得しといてあげる」
私は頬を擦る手を止めて、セイ兄に向って満足げに微笑んだ――。