カラフル☆デイズ

私が起きない様に、聞かれない様にと気遣ってか、今のセイ兄は感情的になっても声は限りなく抑え気味で。


だけど、それより更に小さな声で、「誰がそんなヤツに、まひるのことを任せられるかよ」と、掠れたセイ兄の声までもがしっかりと聞こえた。


「それにしても、向こうだって俺たちのことを恨んでるくせに、何でまひると付き合うんだよ……。絶対裏があるに決まってる」


朝陽もそう思うだろ?と、セイ兄があさ兄にもどかしそうに訊ねた。


不安で、怖くて、セイ兄の言ったことの意味を理解したくないって、知りたくないって思う一方で、セイ兄の言葉に頭の中が真っ黒に塗り潰されそうになる。


今すぐにでも起き上がって、二人にこの不安を拭い去ってもらいたい。


まひるが心配する様なことは何もないよ、って。


それなのに、身体が硬直して動けない。


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