カラフル☆デイズ

けれど、あさ兄は私の視線には気付かずに、セイ兄に『どういうことか判るか?』と言いたげに目で問い掛けている。


「いや、だからさぁ、まひる自体はまぁ……可愛いかもしれないけど、好物がたこわさ、イカの塩辛、鳥軟骨の唐揚げにホッケの開きって、その年でそれってどうなんだって話だろ」


「いや、だからそこが可愛いだろ」


「本当、まひるのことになると話になんねぇな。大体、俺が作る立場でそんなメニューをリクエストされたら、ソッコー居酒屋行けよって思うわ」


うん。やっぱり今夜はハンバーグも唐揚げもエビフライも、ナシの方向で決定だ。


セイ兄のあさ兄への説明もどきを聞きながら、心の中でひっそりと決意を固める。


「大体さ、うちには親父も居ないってのに、まひるはどこでそういう味覚を覚えるのか不思議なんだけど」


そう言った瞬間、あさ兄が私の頭を撫でていた手でそっと耳元を塞いだ。


「静夜、」



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