カラフル☆デイズ

セイ兄に招き入れられるまま部屋の中へ入ると、そのままベッドを背にして、フローリングに直にペタリと座り込んだ。


スカートからはみ出た足がフローリングに触れて、ひんやりとした冷たさが伝わってくる。


今夜は少しだけ蒸し暑くて、汗ばんだ肌にはこの冷たさが心地良い。


気まずさに、何を話せば良いのか判らなくて沈黙が続く。デスクチェアに座って私を見下ろしているセイ兄からも、同様の雰囲気が感じられた。


ふとセイ兄の机を見上げれば、こんな時でも机の上にはテキストが広げられている。


「セイ兄、勉強してたの?」


「これで気分が紛れるって訳じゃないけど、他に気の紛らわせようがないし……まぁ、してないよりマシって感じで」


「そっか。一応、セイ兄は受験生だもんね」



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