カラフル☆デイズ

私の言葉に、「一応ってなんだよ?」とセイ兄が静かに笑う。


「だって、セイ兄ほど、受験生らしくない受験生はいないと思うよ?」


普段のセイ兄からは、受験生らしさというものがまるで感じられない。


「俺は要領が良いから、ガツガツ勉強しなくても平気なんだよ。俺以上に、アイツの方が受験生らしくないだろ」


祭りだなんだって出歩いて、と暗に私と深月先輩のデートの一件を(ほの)めかす。


「……深月先輩は、進学しないって言ってたから受験生じゃないし」


お祭りの時、深月先輩が言っていたことを思い出した。


『気が変わったんだよ。俺は深山みたいに、大層な身分じゃないし……』



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