カラフル☆デイズ
セイ兄は、「しかも、その大学の受験料から入学費まで、全部出す気でいるって言うんだぜ?俺も含めて二人分くらい、どうにかしてやるって」と、疲れ果てた様に話す。
「どうにかしてやるって……」
大学に行くのにどれくらいのお金が掛かるのか、具体的な数字は判らなくても、それが口で言うほど簡単なことじゃないことは、私でさえ判る。
「朝陽は、そう決めた時に親父の保険金はアイツの為に使うって言ってた。幸い、うちには家のローンももう残ってないから、それだけでも大分楽だろって」
だからだったんだ……。あさ兄があんなに無理して、昼夜問わず働いていたのは。
元々、うちはどちらかと言えば裕福な家庭で、お父さんの保険金だってあるのに、どうしてそんなに……って思ってた。
月々の支出がいくらなのかも全然知らないから、私には判らないだけで、あさ兄のお給料だけじゃ本当に苦しいのかも……って思ったりもしたけど。
「だけど、いくらうちのローンがないって言ったって、相続税や固定資産税は掛かるわけで、その上、うちの生活費や学費を考えたら、どう考えたって、俺たちだけで手一杯のくせに……」