カラフル☆デイズ
きつく握り締められたままのセイ兄の手を、両手でそっと包み込む。
あさ兄の手より、少しだけ温度の低い手。あさ兄と同じ様に、いつも私の手を引いて、知らない内にいろんなことから守ってくれている手。
「……意味わかんねー。まひるの所為じゃねーだろ」
セイ兄の声が、いつもより力なく響く。
深月先輩とクラスまで一緒で、お互いに嫌でも意識しなかった日はないはず。
セイ兄が深月先輩と顔を合わせるのが辛い様に、深月先輩も私と一緒にいるのは、本当は辛かったんじゃないのかな?
怖いけど、ちゃんと確かめなくちゃ。
セイ兄の手に触れながら、そんなことを思った。