カラフル☆デイズ

「――だから言ったろ?俺と付き合ったら、傷付くのはまひるだって」


深月先輩は鉄柵に背をもたせ掛けると、口の片端だけを持ち上げて笑った。


あれって、そういう意味だったの?


確かに、一度だって先輩から好きと言われたことはない。


付き合う時にも、『好きって言葉を口にすることは出来ないけど』って言われたけれど、それは先輩なりの照れ隠しだと思ってた。


男の人だから、そういうことを口にするのが恥ずかしいからだって、そう思ってた。


言葉の代わりに感じた優しさも、温もりも、全部が全部、勝手に履き違えてただけだったんだ――。



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