カラフル☆デイズ
お父さんが事故で亡くなった時、あさ兄は19歳、セイ兄は16歳で、私は14歳だった。
高校受験を控えていた12月、その年初めての雪がチラついていたあの日。
自分の部屋で勉強していた私に、突然あさ兄が入ってきて告げた。
――まひる、父さんが車で事故って、たった今、搬送先の病院で亡くなったって……。
そう告げた声は、取り乱すことなく、どこまでも淡々としていて、起こった現実と告げられた事実が食い違っている様に感じられたほど。
だけど、少し掠れ気味だったあの時のあさ兄の声は、思い出そうとすれば、今でも耳の奥で鮮明に蘇る。
あれから2年弱、忘れることはないにしても、私はあの時の悲しみをもう引き摺ってはいない。
だけど、私を気遣う余り、この手の話題の時に必ずと言っていいほどに生じる二人の張り詰めた雰囲気には、正直うんざりしてしまう。