カラフル☆デイズ
「私も……私だって、もう要りません!」
ストラップを無理やり深月先輩に押し付けると、言い捨てる形で屋上から逃げ去った。
そこからは、家までの道のりをひたすら走った。
息が苦しくなって、何度も涙が込み上げてきて、それでも必死に無心で足を動かし続けた。
自分の部屋へと直行し、急いでドアを閉める。
机の上に置かれた一粒のキャンディが、真っ先に目に入り、手を伸ばす。
以前、深月先輩にもらって取っておいた、最後の一個。それを、迷わず口に放り込んだ。
もらった時に、数種類ある中で唯一ダブっていたレモン味のキャンディ。
最初の1個を口に含んだ時とは違い、今日はすごく酸っぱく感じる。
『深月先輩、私、先輩のこと、多分、絶対、好きです』