カラフル☆デイズ

両手で必死に口元を押さえ、声を押し殺そうとするのに抑えきれなくて――。


「ふっ……うっ……く」


『――まひるのことは、嫌いじゃない。初めは変な奴って思ったけど、一緒にいると不思議と楽しいっていうか、明るい気分になれるし』


そう言った時の深月先輩の、ぎこちなくて柔らかい表情と声が脳裏に浮かんでくる。


深月先輩が好き。


こんな状況になっても、すごく好き。


「うぅっ……ふぇ……」


きっと、この気持ちが薄まる日なんて、こない。


そう思えて、ますます涙が溢れた。



< 312 / 420 >

この作品をシェア

pagetop