カラフル☆デイズ

「量が多くて、安くて、旨いって、牛丼みたいだな」


セイ兄が、妙な返しをしてきた。


「静夜、それを言うなら、旨い、安い、早いだろ?」


「知ってるっつーの」


あさ兄とセイ兄が、私の目の前でどうでもいい様な何気ない会話を繰り広げる。


そんなことが、私をたまらなく安心させる。


「私、牛丼も好き!でも、牛丼屋さんに行ったことがないから、一度行ってみたいなぁ」


「出たよ……。まひるのオヤジ嗜好」


セイ兄が、またかよ的な呆れ返った表情で私を見てくる。


まるでタイミングを狙ったかの様に、バラエティ番組のテレビから、あははははと軽快な笑い声が聞こえてきた。




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