カラフル☆デイズ
けど、私がお母さんを恋しがらない様に、実際は一緒に写った写真を隠してるとか、そんなあさ兄たちなりの徹底した配慮が隠されてるのかなって思ってた。
だけど、違ったんだ。
お母さんが亡くなったのが、私が生まれた日と同じなら、写真なんて当然あるはずもない。
頭では妙にすんなりとその事実を受け入れている自分がいるのに、まるで悪い夢の続きを見ているみたいに足元がふわふわして、目が回りそう。
次第に足元から震えが込み上げてきて、それを抑える様に両腕でギュッと身体を抱きしめた。
「……兄貴、頼む」
喉の奥から絞り出す様な、セイ兄の苦しそうな声が聞こえた。
「俺じゃ、まひるのこと笑わせてやれないから、朝陽があいつのことを今までみたいに笑わせてやってよ」