カラフル☆デイズ

「ちょっと場所を変えるぞ?」


そう言うとセイ兄は私の腕を引いて、人通りの少ない階段の方へと移動した。


「……で、どうしたの?」


セイ兄に解放された腕を階段の手摺りに載せる。


「それはこっちのセリフ。今朝、何かあったのか?」


セイ兄が、真剣な眼差しを私に向けてきた。


あさ兄やセイ兄に真剣な目で見つめられると、すべて見透かされているみたいな気分になる。


動揺を悟られない様に注意を払って、セイ兄の目を見つめ返した。


「何もないよ。どうして?」



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