カラフル☆デイズ

何が起こったのか判らなくて、驚きの余りそのまま先輩の腕の中で固まっていると、耳元で深月先輩が囁いた。


「本当に、あの二人が『まひるの所為』だなんて言ったのか?」


直接そう言っていた訳ではなく、けれども私の所為には違いなくて、返事に迷ったまま動けずにいると、先輩は更に質問を重ねてきた。


「今まで、まひるの兄貴たちがまひるに隠してきたのは、どうしてだと思う?」


お母さんが死んだ直接の原因は、私を産んだ所為。


だけど、二人は私が聞いていない場においても、決して私の所為だって――私を責める様な言い方は少しもしてなかった。


むしろその逆で、必死に隠そうとしてた。


そのことからも、あの時のセイ兄の声からも、あさ兄の声からも、ちゃんと伝わってきた――私を大事に想ってくれてることが。



< 342 / 420 >

この作品をシェア

pagetop