カラフル☆デイズ
「何だよ、それ……。ごめんって、意味わかんねーし」
強く握りしめられたセイ兄のペットボトルの飲み口から中身が零れ、フローリングを濡らしていく。
それを目で追いながら、頭の中では早く拭かなくちゃと思いながらも、口では無意識の内にセイ兄に言い返していた。
「だって、そうでしょう?本当のことだもん」
近くにあったティッシュボックスを手に取ると、しゃがみ込んで水滴の上にティッシュを重ね、透明な液体が沁み込んでいくのをじっと見つめる。
それはまるで、自分の涙が代わりにティッシュに沁み込んでいく様に見えた。
「……俺や朝陽や親父が、どれだけお前を大事にしてきたのか、全然伝わってないのかよ」
セイ兄の怒った声が頭上から落ちてくる。
その声に、しゃがみ込んだままセイ兄を見上げた。
「伝わってるよ、十分過ぎるほど伝わってる。だから苦しいの!だから辛いの!」