カラフル☆デイズ

こんなの我儘だ。いっぱい愛されて、それが苦しいとか辛いとか言うなんて。


贅沢な我儘だって、判ってるけど――。


「だからっ！だから、まひるには知られたくなかったんだよ……っ」


見上げた先では、セイ兄の顔が今にも泣きだしそうなほど、くしゃりと歪(ゆが)んだ。


「本当はあの日、私、怒りたかったんだよ？どうして教えてくれなかったの？って！どうして、いっつも私にだけ教えてくれないの？って！！」


二人とも、私を想って内緒にしてくれていたのかもしれないけど、それが辛いんだよ？すごく辛いんだよ？


つられて泣きそうになりながら反論する私に、セイ兄が目線を合わせてきた。


私の隣にしゃがみ込み、代わりにフローリングの濡れた部分を手際よく拭いていく。


「まひるには、まだ早いと思ったんだ。いずれ朝陽がきちんと話すつもりだった」