カラフル☆デイズ
「まだ早いって、セイ兄と私は一つしか違わないんだよ!?セイ兄は、今の私よりももっと幼い頃から知ってたじゃない!」
なのに、私一人何も知らないで、恋に現を抜かしたいとか言って、浮かれて、舞い上がって、馬鹿みたいだ……。
その言葉は、嗚咽混じりになって、上手く喋ることが出来なかった。
瞼が熱を帯びて、拭き終わったばかりの床にまた水滴を成した。
「――例えば、さ」
セイ兄が、仕方なく幼い子どもをあやす様に私の背中をさすりながら、まるで子守唄でも歌うかの様に静かに優しく話す。
「傷付いている人がいるとするだろ? その原因を聞き出してやるのも優しさだろうし、知らないフリをしてやるのも優しさだと俺は思う」
セイ兄の例え話が、どこにどう繋がるのか判らず、黙って耳を傾ける。
「やり方は違っても、どっちの行動も傷付いている人を思っての行動だと思わないか?」