カラフル☆デイズ

二人の間に流れる気安げな雰囲気を察し、話をする間、気を利かせて少しの間この場から離れることにした。


「あさ兄、私、飲み物取ってくるねっ」


「迷子になるなよ?」


からかう様に笑みを向けてきたあさ兄に、軽く舌を出した。


「子供じゃないんだから、ならないよ!」


もう一度伊月さんに頭を下げ、私はこの売り場のすぐ隣にあるというだけの理由でドリンク売り場へと向かった。


しばらくの間ドリンクコーナー周辺をウロつき、とりあえず何か持っていくべきか悩んでいると、「どれにするか、もう決まった?」と、あさ兄から声を掛けてきた。


家には2(リットル)サイズの炭酸飲料とウーロン茶のペットボトルがそれぞれ一本ずつあったはずだから、特に買うべき物も思い浮かばない。


「やっぱり飲み物はいーや。それよりも、さっきの人は友達?」


あさ兄の持っていたカゴの端を引っ張って、お肉コーナーへと向かう。


あさ兄は途中でモッツァレラチーズをカゴに入れながら、「あぁ、大学の時の友人」と答えた。


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