カラフル☆デイズ
「……えっと、深山の彼女、だよね?」
喫茶店の外に出て、まず深山さんの口から出てきたのは驚きの一言。
「ち、違います!!妹です!」
とんだ勘違いに、焦って強く否定した言葉は思いの外大きく響いたけれど、周囲には余り人がいなかったお蔭で注目を集めずに済んだ。
「ごめんね?今のは冗談で、ちゃんと判ってるよ。深山まひるちゃんでしょう?」
からかわれたと知っても、伊月さんの醸し出す穏やかな空気に毒気を抜かれてしまい、苛立ちすら湧かず、素直にこくりと頷き返す。
「そう言えば、さっきの人、追いかけなくて大丈夫なんですか?」
「あぁ……うん、大丈夫」
以前会った時、伊月さんは一緒にいた彼の従妹相手に不毛な片想いをしてるって、あさ兄から聞いていたけれど……。
「今日は、違う女の人と一緒なんですね……」