カラフル☆デイズ
「深山に何か聞いたんだね?一緒にいた子とは、そういうんじゃなくて、諦めるとか以前に、最初から僕が入り込む余地すらないんだ」
そう微笑みながら答えてくれた伊月さんからは、やっぱりあの人に対する気持ちが本気だってことが、それとなく伝わってきた。
「……あの、ごめんなさい……。全然関係ないのに、こんなことを聞いてしまって」
「いや、気にしないでいいよ。元々、実りそうにもない恋だし」
伊月さんは気を悪くした様子を微塵も見せず、ただ控えめに微笑んだ。
実りそうにない恋、かぁ……。
深月先輩と私だって、今となっては最初から実るはずもない恋だったんだと判る。私もそう思って諦めるしかない。