カラフル☆デイズ
一緒に過ごした日々は少ないけれど、それでも、思い出そうとすれば、深月先輩と過ごした楽しい出来事ばかりが浮かんでくる。
素敵な思い出が作れただけでも、幸せだと思わなくちゃいけないのに。
それなのに、楽しかった時のことを思い出しても、今は逆に胸が苦しくなる。
伊月さんになら、この気持ちを判ってもらえるかもしれない。
「……諦めなくちゃいけない人がいて――その人のことをどうしようもなく好きなのに、諦めるしかないのは、辛いです……よね」
「うん、辛いね。でも想いをちゃんと伝えられたら、後悔だけはしないんじゃないかな」
後悔だけはしない――か。
それならば、後悔はしていないと、私ははっきりと言い切ることが出来そうにない。