カラフル☆デイズ

そんな私の様子に、あさ兄の眉間にはますますシワが深く刻み込まれて行く。


「……怪しいな。もしかして、伊月と何かあったのか?」


「別に何もないよ。ある訳ないでしょう?伊月さんと会っただけで、そんな表情をするあさ兄の方が、よっぽど怪しいよ」


あさ兄を軽くかわしてトーストに齧りつくと、セイ兄が私に向かって「ばぁか」と投げつけてきた。


「まひるは迂闊(うかつ)なんだよ。朝陽の前で男の話するなんて」


「もう意味わかんない。早くご飯食べてよ!」


今日の朝食は、トーストとサラダ、フルーツヨーグルトとフレッシュジュース。


それから、お弁当用に作ったたまご焼きの余りが数切れ。


「お、今日のたまご焼き、甘くない」


たまご焼きに手を伸ばしたセイ兄が、一口食べた後、たまご焼きを物珍しそうにまじまじと見た。


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