カラフル☆デイズ
上手く言えなくて照れ笑いをした私を、あさ兄が突然抱きしめた。
「……古川くんのことを反対したのは、彼を通じて、まひるが父さんのことを知ってしまうんじゃないかって……知って、傷付くんじゃないかって思ったからだったけど、本当はそれだけじゃないんだ」
「……他にも、理由があるってこと?」
あさ兄は、「怒らないで聞いて」と言った後、そっと腕の力を緩めた。
「失礼だけど、彼にはご両親がいないだろ?母親に関しては、父さんの所為でもあるけれど」
「……だから?」
「まひるには両親がいない分、両親のいる人と一緒になって欲しいって気持ちがあった」
その言い分に、深月先輩を侮辱された気がして一瞬頭に血が上りそうになったけれど、あさ兄の眼差しが寂しそうに見えて、ひとまずあさ兄の言い分に耳を貸す。
「どういう形であれ、まひるに両親って存在を与えてくれる人と一緒になって欲しいって思った」