カラフル☆デイズ

「謝る……?」


あさ兄の困惑した声に、私とセイ兄も同じ気持ちで深月先輩を見る。


先輩はバッグから一冊のノートを取り出すと、それをあさ兄へと差し出した。


少しだけ表紙かヨレている以外には何の変哲もない、どこの文房具屋さんでもよく見掛けるA6サイズのノート。


「それ、母の日記帳です。深山さんのお父さんとのことが書かれています」


深月先輩のお母さんと、私のお父さん――二人の関係が判明すると思ったら、ドクン、と心臓が大きく跳ねた。


あさ兄が「読んでも?」と確認して、先輩が頷く。


あさ兄の両脇から、私とセイ兄が覗き込む形で、開かれていく日記に視線を落とした。




< 389 / 420 >

この作品をシェア

pagetop