カラフル☆デイズ
それはともかく、私もこの寛容さくらいは見習わないと。いくら彼氏がいなくても。
《ご祝儀貧乏》なんて言葉を、大人の会話で耳にしたことがあるけど、友人に彼氏が出来たからといって、何かプレゼントしなきゃいけない訳じゃない。
結婚と違って、おめでとうの言葉一つで済むことを思えば、確かに私にとってもおめでたいことだ、うん。
「ある意味、私もおめでとう」
無意識に心の声がこぼれ落ちると、千紗が驚いた様に目を見開いた。
「きゃー!やっぱり!」
千紗が声を上げ、私の手を包み込んでいた両手に力を込める。
“やっぱり”って、何?
「まひるも水上くんと付き合うことになったんでしょ?」
千紗の発した言葉を脳が理解出来ず、千紗は爪までキラキラだなぁ、なんて全然関係のないことを思いながら、うっすらとピンク色のネイルが塗られた指先を見つめる。
ワンテンポ遅れて、驚きに顔を上げると、これまたキラキラと輝く千紗の瞳と目が合った。