カラフル☆デイズ
「俺は何でも物事を斜めに見てしまって、他人からの厚意も裏があるんじゃないかって疑ってしまうけど、まひるといる内に少しずつ周囲の人たちの有り難みが判る様になってきたんだ」
お母さんが亡くなってから、身寄りのない未成年である自分に対して、本当の孫の様に心配し、便宜を図ってくれた大家のおばあちゃん。
お母さんからよく自分の話を聞いていて、何か自分に出来ることがあれば力になると気遣ってくれたお母さんのパート先のオーナー。
今まで気付けなかった周囲の人たちの厚意が、自分を支えてくれる人の善意が、自分の中で素直に感謝の気持ちに変わってきたと、照れくさそうに深月先輩ははにかむ。
モノクロだった景色がカラーへ変化する様に、色付いて、それまでの景色が変わって見えた、と。
「知らない内に、まひるに感化されたんだな、きっと」
それからも先輩は、まるで牧師に告解でもするかの様に、今までの気持ちを全部、包み隠さず私に話してくれた。
自分に対する私の態度から、過去の出来事を聞かされていないであろうことに気付いて、自分と一緒にいれば、いずれ過去のことを知った時に私も傷付くだろうと思ったこと。
これ以上は関わらない方が良いと、強く思いながらも、どうしても私を突き放せなくて、いつも迷いながら私と一緒に過ごしていたこと。